Q、共同相続人のうち妻と子、兄弟など2人以上の者が遺産分割により共有で農地等を相続した場合において、次に掲げるケースのときに相続税の納税猶予の特例の適用を受けられるのですか?

(1) 共有者が共に農業を行う場合

(2) 共有者のうち一人だけ農業を行う場合

(3) 共有者のうち未成年者がいる場合

A、(1) 共有者が共に農業を行う場合
 相続税の納税猶予の特例の適用要件として農地等を共有で相続した場合を排除していないことから、取得した農業相続人がそれぞれ農業を行うのであれば、それぞれ納税猶予の特例の適用を受けられます。

(2) 共有者のうち一人だけ農業を行う場合
 相続税の納税猶予の特例の適用要件として相続した農地等において農業経営を行うこととされていることから、農業を行う者は、その取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けられますが、農業を行わない者は、その取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けられません。

(3) 共有者のうち未成年者がいる場合
 未成年者が農地等を相続した場合には、上記(2)にかかわらず、その未成年者に代わりその未成年者と住居又は生計を一にする親族が、その未成年者の取得した農地等につき農業経営を行う場合には、その未成年者の取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けることができます。
ただし、その未成年者について、次に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、その者が自ら農業経営を行うときを除き、その事実が生じた日において農業経営を廃止したものとみなされます。

〔1〕  その未成年者が成年に達したこと(引き続き就学している場合を除く。)

〔2〕  その未成年者が成年に達した後、就学を了したこと。

〔3〕  その未成年者とその未成年者の取得した農地又は採草放牧地につき農業経営を行っているその未成年者の親族とが住居又は生計を一にしないこととなったこと。

〔4〕  その未成年者の取得した農地又は採草放牧地につき農業経営を行っていた親族が農業経営を行わないこととなったこと

建物更生共済契約の課税関係について

Filed under: ブログ - @ 2012年8月24日 9:29 AM

Q、甲は、乙所有の建物の共済を目的とする建物更生共済に加入し、掛金を負担していました。
 甲又は乙について相続が開始した場合、建物更生共済契約に関する相続税の課税関係はどのようになりますか?

[契約関係]
共済契約者(掛金負担者) :甲(長男)
被共済者 (建物所有者) :乙(父)
満期共済金受取人 :甲

A、共済契約者甲について相続が開始した場合には、建物更生共済契約の約款によれば、共済契約者の相続人に契約が承継されることとなっていることから、建物更生共済契約に関する権利が甲の本来の相続財産として相続税の課税対象となり、その評価額は、相続開始時における解約返戻金相当額となります。
 また、乙について相続が開始した場合、当該共済契約に関して相続税の課税対象となるものはありません。
 なお、満期時に取得する満期共済金は、満期共済金受取人の一時所得の課税対象となります。

遺言は訂正や取り消しが出来るか

Filed under: ブログ - @ 2012年8月20日 3:45 PM

遺言は,人の最終意思を保護しようという制度ですから,訂正や取消し(遺言の取消しのことを,法律上は「撤回」と言います。)は,いつでも,また,何回でもできます。遺言は,作成したときには,それが最善と思って作成した場合でも,その後の家族関係を取り巻く諸状況の変化に応じ,あるいは,心境が変わったり,考えが変わったりして,訂正したり,撤回したいと思うようになることもあると思います。さらに,財産の内容が大きく変わった場合にも,多くの場合,書き直した方がよいといえるでしょう。
 以上のように,遺言は,遺言作成後の諸状況の変化に応じて,いつでも,自由に,訂正や,撤回することができます。ただ,訂正や,撤回も,遺言(その種類は問いません。)の方式に従って,適式になされなければなりません。

控除できない葬式費用

Filed under: ブログ - @ 8:10 AM

 通常、葬式にかかった費用は、相続財産を計算する上で

控除することが出来るが、下記のものは控除できないとされているので

注意が必要である。(相続税基本通達13-5)

(1)香典返戻費用
 
(2)墓碑および墓地の買入費ならびに墓地の借入料
 
(3)法会に要する費用
 
(4)医学上または裁判上の特別の措置に要した費用

貸駐車場として利用している土地の評価

Filed under: ブログ - @ 2012年8月17日 5:32 PM

Q、月極めの駐車場の用に供している土地の価額は、どのように評価するのでしょうか?

A、土地の所有者が、自らその土地を月極め等の貸駐車場として利用している場合には、その土地の自用地としての価額により評価します。

(理由)
 土地の所有者が貸駐車場を経営することは、その土地で一定の期間、自動車を保管することを引き受けることであり、このような自動車を保管することを目的とする契約は、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なる契約関係ですから、この場合の駐車場の利用権は、その契約期間に関係なく、その土地自体に及ぶものではないと考えられるためです。

庭内神しの敷地等について

Filed under: ブログ - @ 2012年8月10日 5:05 PM

Q、自宅の庭の一角に、弁財天を祀るための祠とその附属設備として鳥居があります。祠の敷地やその附属設備は相続税の非課税財産に該当しますか?

A、いわゆる「庭内神し」の敷地やその附属設備については、ただちに相続税の非課税財産に該当するとは言えません。しかし、まる1「庭内神し」の設備とその敷地、附属設備との位置関係やその設備の敷地への定着性その他それらの現況等といった外形や、まる2その設備及びその附属設備等の建立の経緯・目的、まる3現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備及び附属設備等の機能の面から、その設備と社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲の敷地や附属設備である場合には、その敷地及び附属設備は、その設備と一体の物として相続税の非課税財産に該当します。

(注) 「庭内神し」とは、一般に、屋敷内にある神の社や祠等といったご神体を祀り日常礼拝の用に供しているものをいい、ご神体とは不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔、稲荷等で特定の者又は地域住民等の信仰の対象とされているものをいいます。

遺言はいつまでに書いた方がいいか

Filed under: ブログ - @ 2012年8月8日 6:41 PM

遺言は,死期が近づいてからするものと思っておられる人がいますが,それは全くの誤解です。人間は,いつ何時,何があるかも分かりません。いつ何があっても,残された家族が困らないように配慮してあげるのが,遺言の作成ということなのです。つまり,遺言は,自分が元気なうちに,愛する家族のために,自分に万一のことがあっても残された者が困らないように作成しておくべきものなのです。ちなみに,最近では,かなり若い人でも,海外旅行へ行く前等に遺言書を作成する例も増えています。遺言は,後に残される家族に対する最大の思いやりなのです。
 遺言は,判断能力があるうちは,死期が近くなってもできますが,判断能力がなくなってしまえば,もう遺言はできません。遺言をしないうちに,判断能力がなくなったり,死んでしまっては,後の祭りで,そのために,家族の悲しみが倍加する場合もあることでしょう。すなわち,遺言は,元気なうちに,備えとして,これをしておくべきものなのです。ちなみに,遺言は,満15歳以上になれば,いつでもできます。

相続の承認と相続の放棄

Filed under: ブログ - @ 2012年8月6日 8:55 AM

民法には、相続の承認と相続の放棄という制度が定めれられております。

『相続の承認』とは、『積極財産(プラス財産』だけでなく、

借金・債務等の負債に代表される『消極財産(マイナス財産)』をも

相続財産として承継することを、相続人が受諾することを言います。

これに対して『相続の放棄』とは、『消極財産(マイナス財産)』や『積極財産(プラス財産)』の

全てを相続財産として承継することを、相続人が拒絶することを言います。

これらの制度は、 相続財産の承継を受諾するか否かの選択を

相続人の自由意思に委ねることとしたものである。

もし仮に、多大な借金を背負ったまま被相続人が死亡し、

相続が開始した場合には、その相続人は当然に被相続人の負債(借金)をも

承継することとなり、これでは、残された相続人に対する負担が

大きくなり過ぎてしまいます。全く身に覚えのない被相続人の借金を、

全面的に背負わさせしまうのはあまりにも過酷なものとなってしまうため、

承認と放棄という制度が設けられております。

借地権の意義

Filed under: ブログ - @ 8:53 AM

Q、構築物の所有を目的とする土地の賃借権は、所得税法や法人税法の借地権に含まれていますが、財産評価基本通達上の借地権には、構築物の所有を目的とする賃借権も含まれるのでしょうか?

A、財産評価基本通達上の借地権は、借地借家法第2条に規定する借地権すなわち建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権に限られることから構築物の所有を目的とする賃借権は含まれません。

(理由)
 建物の所有を目的とする借地権は、地域的な格差はあるとしても、その権利の内容がおおむね一様であることから、その価額の評価の方法については、自用地としての価額にその地域における一定の借地権割合を乗じて算出するのに対し、構築物の所有を目的とする賃借権については、その構築物の種類が雑多であり、かつ、その構築物の所有を目的とする賃借権の権利の態様も一様ではないことから、建物の所有を目的とする借地権とは区別してその賃借権又は地上権の権利の内容に応じて個別に評価することを目的として、借地権の範囲には構築物の所有を目的とする賃借権又は地上権は含まない取扱いとしています。
 したがって、所得税法や法人税法で規定する借地権とは異なり、構築物の所有を目的とする賃借権は、財産評価基本通達上の借地権には該当しません。
 なお、構築物の所有を目的とする賃借権の価額は、財産評価基本通達87(賃借権の評価)の定めにより評価することになります。

秘密証書遺言とは

Filed under: ブログ - @ 2012年8月1日 9:34 AM

秘密証書遺言は,遺言者が,遺言の内容を記載した書面(自筆証書遺言と異なり,自書である必要はないので,ワープロ等を用いても,第三者が筆記したものでも構いません。)に署名押印をした上で,これを封じ,遺言書に押印した印章と同じ印章で封印した上,公証人及び証人2人の前にその封書を提出し,自己の遺言書である旨及びその筆者の氏名及び住所を申述し,公証人が,その封紙上に日付及び遺言者の申述を記載した後,遺言者及び証人2人と共にその封紙に署名押印することにより作成されるものです。

 上記の手続を経由することにより,その遺言書が間違いなく遺言者本人のものであることを明確にでき,かつ,遺言の内容を誰にも明らかにせず秘密にすることができますが,公証人は,その遺言書の内容を確認することはできませんので,遺言書の内容に法律的な不備があったり,紛争の種になったり,無効となってしまう危険性がないとはいえません。

 また,秘密証書遺言は,自筆証書遺言と同じように,この遺言書を発見した者が,家庭裁判所に届け出て,検認手続を受けなければなりません。