①相続人の遺留分を考慮したうえで遺言書を作成したほうがよい・・・という考え方。
 遺留分を侵害された相続人が、遺留分減殺請求権を行使すると、受遺者・受贈者は、侵害し
ている遺留分の額の財産を相続人に返還しなければならなくなります。その際、返還する額を
めぐって訴訟になるケースも多く見られます。
 つまり、遺言が新たな紛争のタネになり かねないということです。
 
②遺留分を恐れず、財産を自由に処分するための遺言書を作成すべきだ・・・という考え方。
 遺留分を無視した遺言も無効ではありません。ですから、敢えてそのような遺言を書くことも
価値があると言えます。「自分の財産を自由に処分する」ということから判断すると、そこに遺
言の真の価値があるようにさえ思えます。
 もちろん遺留分減殺請求があるかもしれません。ただ、内容証明に始まり裁判に発展するケ
ースも多いなど手続きが大変なだけに、途中で断念したり請求を行わなかったりという可能性
も大きいのです。また、遺留分減殺請求権には時効消滅もあるので、その遺留分権利者が気
づかないうちに権利が消滅してしまうことも多いのです。
 
※①と②のケースは、その状況により、どちらがいいかは一概に言えません。
遺言者それぞれが、適切な判断をするべきでしょう。